量子線科学専攻博士前期課程1年の伊藤俊亮さんが日本金属学会第26回優秀ポスター賞を受賞しました

理工学研究科量子線科学専攻1年 (太田・西研究室所属) の伊藤俊亮さんが、2019年9月11日、岡山大学津島キャンパスで開催された日本金属学会2019年秋期大会において、第33回優秀ポスター賞を受賞しました。この賞は、大会中に行われたポスターセッション発表者を対象に表彰されるものです。

photo

タイトル

熱物性顕微鏡を用いたPbTe-Sb2Te3系化合物の熱浸透率分布測定

概要

熱電変換効率の良い熱電変換材料を開発する要因の1つとして熱伝導率 (熱浸透率) を低くすることが求められています。LAST (Lead,Antimony,Silver,Tellurium) 材料は熱電変換効率の良い材料として注目されていますが、その合金の組み合わせは複雑であるため、迅速に発見することは難しいとされてきました。本研究では、ハイスループットな手法に基づき、組成を傾斜機能させたPbTe-Sb2Te3系化合物の熱浸透率分布を熱物性顕微鏡を用いて測定し、その分布と組成、組織を対応させることで、熱電変換効率の良い材料の組成と組織を発見することを目的としました。熱物性顕微鏡にて測定した結果、低い熱浸透率を持つ領域はPbTe単相領域とPb2Sb6Te11+Sb2Te3領域であることが明らかになりました。これらの領域の熱浸透率が低いのはナノ構造の析出物や共晶組織にとして現れるSb2Te3によるものと考えられます。

伊藤俊亮さんのコメント

この度は、日本金属学会2019年秋期大会おいて、優秀ポスター賞を受賞できたこと、大変嬉しく思っています。このシステムで組成を傾斜機能させた材料の熱浸透率測定が迅速に達成できたことにより、熱電変換材料の開発スピードの向上が見込まれるだけでなく、現在熱電変換材料としても注目されているFe-Al-Si合金のハイスループットな手法に基づく研究へと展開していけると考えています。今回の受賞は、指導教員である太田弘道先生、西剛史先生の指導や、研究室の仲間に支えられたおかげです。心より感謝しています。この受賞を励みに、これからも精一杯研究に取り組みたいと思います。

関連リンク

理工学研究科 量子線科学専攻 西研究室