日本中性子科学会第18回年会で理工学研究科の小貫祐介助教、福本陽平さん(M2)、上地昇一さん(M1)が受賞

12月4日(火)と5日(水)の2日間にかけて茨城県立県民文化センターで開催された日本中性子科学会第18回年会において、本学理工学研究科の 小貫祐介助教 が第16回日本中性子科学会奨励賞を受賞しました。また、理工学研究科博士前期課程量子線科学専攻(指導教員: 大山研司教授 )の福本陽平さんと上地昇一さんが、それぞれポスター賞を受賞しました。

小貫助教はJ-PARCの茨城県材料構造解析装置(iMATERIA)を用いて中性子解析法に基づく金属の微細組織解析法の構築とその応用展開を行ったほか、国内外の施設との連携を積極的に進めて測定技術の向上に努めたことが、中性子の産業利用に大きく寄与したと評価されました。

小貫祐介助教(左)

小貫祐介助教(左)


福本さんと上地さんは、茨城大学が世界に先駆けて実用化に成功した「白色中性子ホログラフィー」という原子観測方法の開発と、ホログラフィーを用いた材料研究について発表しました。福本さんは白色LED材料であるSiCでのBドープについての研究について、上地さんは対象物質の拡大によるホログラフィーの応用範囲の拡張の成果についてそれぞれ発表し、研究の独自性・独創性が高く評価されてこのたびの受賞にいたりました

福本陽平さん(左から2番目)と上地昇一さん(中央)

福本陽平さん(左から2番目)と上地昇一さん(中央)


茨城大学フロンティア応用原子科学研究センターが事務局を務めた今回の日本中性子科学会年会では、茨城県ビームラインの産業利用と大学の研究事例を紹介するセッションが設けられ、企業からは蓄電池や鉄鋼業における中性子利用への期待が示されました。また、 馬場充副学長 、小泉智教授、 能田洋平講師 からはフロンティア応用原子科学研究センターにおける最新の研究成果が紹介され、会場の参加者とともに活発な議論が展開されました。

開会の挨拶に立った三村信男学長は、「茨城大学は中性子をはじめとする量子線を教育・研究の上で非常に重要なものとして位置づけている。本学は茨城県からビームライン運用を委託されており、最先端の実験施設を利用できる環境を活かした教育・研究を進めていきたい」と話しました。

受賞者のコメント

小貫祐介助教

このような賞を頂けて誠に光栄です。元々私は中性子関係の研究者ではなく、金属材料分野の研究をしていましたが、ご縁があり4年前から中性子を利用した解析法の解析に携わらせていただくことになりました。この解析法は、iMATERIAの装置特性を最大限活用するものですが、材料科学への貢献はまだまだこれからというところです。今後も連携機関の皆様やフロンティア応用原子科学研究センターの皆様と、仲良く楽しく研究をしていきたいと思っております。

福本陽平さん

まず初めに、今回の受賞は自分だけの力ではなく、大山先生の熱心な指導あってのことだと思います。大山先生、ありがとうございます。今までポスター発表は何度も行っていましたが、三年目にしてようやくポスター賞をいただくことができ、心から嬉しく思うと同時に、やっと受賞されたとほっとする気持ちです。特に、自分から新しい試みをして、そしてその結果が評価されたのは今後の自信や誇りになります。私はM2なので、今後の発表する機会は多くはありません。ですが、修士論文や卒業のための発表があるので、それに向けてより一層勉強したいと思います。

上地昇一さん

この度は私の研究発表が日本中性子科学会で高く評価され大変嬉しく思います。やったーーー!私にとっての人生初学会が昨年の中性子科学会であり、その時はボコボコにされた記憶がありますが、一年越しにリベンジでき、自身の成長を実感することができました。このような賞を頂くことができたのは指導教員である大山先生の熱心な指導のおかげと感じており大変感謝しております。今回の受賞で満足せず、今後も研究に取り組みたいと思います。

年会の様子

※クリックすると画像が拡大します

関連リンク

茨城大学フロンティア応用原子科学研究センター