量子線科学専攻博士前期課程2年の工藤直人さんと國本怜遠さんが日本金属学会第40回優秀ポスター賞を受賞しました
受賞者 | 理工学研究科量子線科学専攻2年の工藤直人さん、理工学研究科量子線科学専攻2年の國本怜遠さん |
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受賞日 | 2023/3/7 |
賞の名称 | 優秀ポスター賞 |
表彰者 | 日本金属学会2023年春期大会 |
表彰内容 | 2023年3月7日、東京都立産業貿易センター浜松町館で開催された日本金属学会2023年春期大会において、第40回優秀ポスター賞を受賞しました。この賞は、大会中に行われたポスターセッション発表者を対象に表彰されるものです。151件の発表のうち26件が優秀ポスター賞として受賞されました。26件の受賞のうち茨城大学の学生が2名受賞したのは極めて快挙です。 |
理工学研究科量子線科学専攻2年の工藤直人さん(西研究室所属)と國本怜遠さん(岩瀬研究室所属)が、2023年3月7日、東京都立産業貿易センター浜松町館で開催された日本金属学会2023年春期大会において、第40回優秀ポスター賞を受賞しました。この賞は、大会中に行われたポスターセッション発表者を対象に表彰されるものです。151件の発表のうち26件が優秀ポスター賞として受賞されました。26件の受賞のうち茨城大学の学生が2名受賞したのは極めて快挙です。
工藤直人さんタイトル
熱物性顕微鏡を用いた模擬月砂の熱浸透率分布測定
概要
熱物性顕微鏡は周期加熱法とサーモリフレクタンス法を組み合わせることにより「熱を奪い取る力」を示す熱浸透率という物性値をマイクロスケールで測定することができる装置です。熱浸透率は試料の体積熱容量が既知であれば熱伝導率や熱拡散率を算出することができます。本研究は、熱物性顕微鏡を用いて、模擬の月砂の熱浸透率分布測定を行い、顕微鏡写真などと照らし合わせて、組織・構造と熱物性を対応させて評価することに成功しました。このように宇宙からの砂粒の熱的特性を明らかにすることは「探査機が小惑星等に着陸する際、惑星表面に存在する砂粒が探査機に付着することで探査機の排熱機能を阻害する」という課題解決の一助となることを期待しています。
工藤直人さんのコメント
優秀ポスター賞を受賞できたこと、大変嬉しく思っています。今回は熱物性顕微鏡を用いて模擬月砂の熱浸透率分布測定を行い、砂粒に存在する複数の相による熱浸透率の違いを確認することができました。今後は実際の月砂や基板上の高分子膜の熱物性測定へと展開していきたいと思っています。今回の受賞は、指導教員である西 剛史先生や太田弘道先生、そして芝浦工業大学の遠藤理恵先生ほか、研究室の仲間に支えられたおかげです。この受賞を励みに、これからもドンドン成果を出していきたいと思っています。
國本怜遠さんタイトル
Mn置換が水素吸蔵放出特性に与える影響及びYNi3-xMnxの結晶構造
概要
YNi3はYNi2とYNi5が1:1で積層した超格子構造という結晶構造を持ちます。YNi3は水素吸蔵放出を数回繰り返すと水素吸蔵放出特性が低下することが先行研究から明らかになっています。しかし、数回の水素吸蔵放出を行ったYNi3の最大吸蔵時の水素化物相の結晶構造は乱れ、解析が困難であるという難点があります。そこで、水素吸蔵放出特性や結晶構造を変化させるためにNiより原子半径が大きいMnでNiの一部を置換しました。その結果、置換後の合金は結晶構造変化せず、置換前と同様な結晶構造を有することを明らかにしました。さらに水素吸蔵放出特性の低下および結晶構造の乱れを改善することも確認することができました。このようにNiの一部をMnに置換することによって、空隙が拡大し、水素の吸蔵放出が効率的になると期待しています。
國本怜遠さんのコメント
この度は、日本金属学会2023年春期大会おいて、優秀ポスター賞を受賞できたこと、大変嬉しく思っています。本研究では、超格子構造を持つYNi3の水素吸蔵放出特性を変化させる為、原子半径がNiより大きいMnでNiの一部を置換しました。そして、PCT測定でMn置換による水素吸蔵放出特性変化を明らかにし、XRD測定結果を解析することで水素吸蔵前後の結晶構造変化を精密化することに成功しました。今回の受賞は、指導教員である岩瀬謙二先生そして、研究室の仲間に支えられたおかげです。この受賞を励みに、これからも精一杯研究に取り組みたいと思います。